『語り合う大切さを改めて考える」温泉スタッフ中島まなみ

コチラの記事は、アトピー性皮膚炎の患者会「アトピーフリーコム」の会報誌第32号に掲載されたものです。


「語り合う大切さ」を改めて考える

豊富温泉スタッフ 中島 まなみ(まなみん。)

こんにちは!豊富温泉スタッフ、沖ヨガインストラクターのまなみんコト、中島まなみです。豊富温泉にて「健康運動指導士」として働いています。

アトピーフォーラムin豊富2016がありました

dsc_08389月18日と19日の二日間にわたり、第11回目となる「アトピーフォーラム㏌豊富」が開催されました。第1回目から様々な方法をとりながら開催を重ねてきたこのアトピーフォーラム、私は実行委員となり、今年で3回目となります。

今回は初の試みとして、「語り合うワークショップ」と題して、「6つのテーマ設定」をしてご参加の方にテーマを選んで語り合ってもらおう!という会を催す事となりました。無事に開催できた後にこれを書いているので、初対面の方同士でも深い話が出来た様子があり、「心が軽くなった」という声もいくつか聴き、またひとつ豊富温泉に素晴らしい場が出来たなあと思うのですが、本番までは、それはいろいろでしたよ。どうなるコトやら?誰も来ないんじゃないの?という不安もありましたし、開催方法についての迷いもいろいろあって、幾度もスタッフ間で話し合いがなされたりしてました。

語り合う場の価値

日頃、豊富温泉にて全国からいらっしゃる湯治の方を迎え入れるスタッフとして働く中、「語り合う大切さ」はよく思うところです。私は温泉で週に2回、ヨガ教室の担当をしていますが、インストラクターである私の仕事は「ヨガという手法をお伝えするという役割」です。ほぼ一方通行にて、話し伝えるばかり。クラスの前後、相談や質問を受けたりすることはよくあるものの、ゆっくり腰を落ち着けて、とはなかなかいきません。そんな短い時間の中でも、ココロが緩んで涙を流したり、その末に満面の笑みを見せてもらえたり、「話すコトで楽になる」というのは、ホントに大切なコトだなあと、日々思っているのです。

「体力」というと「体」について、と思いがちだけれど、「心」にも体力があります。全国から療養にいらっしゃる湯治の皆さんに、適度な運動を通して体力をつけていただけたらと思い運動指導をさせていただいていますが、それは、心の体力も含めての体力です。

日頃つらつらと考えている、思っているコトを口に出して話してみたり、誰かの想いに耳を傾けたり、そんな「語り合う場」を湯治の合間に持ち、心の体力もつけていただけたらいいなというのもあり、コンシェルジュデスクの企画では、「お茶会」と題して、気楽に語り合える場を作っています。

より豊かな語り合いの場を作るには

話すのが苦手な方もいれば、私のように得意な人もいます。その両者が会って場を作り、うまくキャッチボールするように語り合うコトで見えてくるものがある。フォーラム2日目には、東京人形町で皮膚科を開業している上出良一先生による基調講演がありました。その講演タイトルがまさに、「語り合うコトの大切さ」だったのです。インターネットやSNSはとても便利だけれど、やっぱりそれでは届かないもの、受け取ることのできないモノがある。目を見て、ひざを交えて話すからこそ、湧き出てくるもの。「以心伝心」というけれど、そんなものは迷信だと思って、伝えたいコトはちゃんと口に出して相手に言おう。そして何より、まずは相手の想いに触れ、ハナシに耳を傾けるコトを大切に、と先生は話していらっしゃいました。

「話し合いの主導権は、話し手ではなく聴き手が持っています。」これは、様々な講座で話し聴かされるコトで、「傾聴」が上手い人ほど人間関係が円滑になる、と言われます。

日々の豊富温泉にある語り合いの場

皮膚疾患で苦しみ、それをまわりの誰にも言えず、言ったら言ったで理解がない。苦しみぬいて豊富温泉を訪れる人は少なくありません。温泉の総合窓口コンシェルジュデスクのスタッフは現在2名いて、そのほか、健康相談員の2名も湯治相談を受け付けていますが、初めて豊富温泉を訪れ、不安でいっぱいの方が、話しているうちにリラックスして、ダムが決壊したかのように話し出す方もいらっしゃいます。それを、「そうですよね」としっかり受け止めるスタッフ、そして時に、「大変でしたね」と言い、間が空いたりもします。

私は、湯治相談を担当していないのですが、その場に居合わせた時、その「間」にこそ、とても深い理解があるなあとよく思うのです。話すだけが伝達ではない、聴くだけが受容でもない。話の間に生まれる「間」にこそ、様々な想いが詰め込まれている。これこそが、インターネットやSNSでは味わえない部分で、同じ時間を共有し、苦しみに寄り添える瞬間だったり。湯治経験者であるスタッフが、自らの経験とも照らし合わせ、痛みを分かち合って寄り添う。そうするコトで、報われる想い、癒えるココロがあるのではないかな、と思うのです。

きっと、そんな難しいコトではないんです。会いたいと思ったら「エイ!」って会いに行き、目を見て話し、相手の雰囲気を感じて、共に過ごす。それだけで、どれだけのコトが解決するか。便利になり過ぎて不便なコト、見えにくくなったものに、改めて目を向けてゆく。そのために必要なのは、きっと、「ゆとり」です。

豊富温泉にて、自分のペースを見つけてゆっくり湯治をする。素晴らしい大自然が広がっていますから、湯治の合間には、豊かな大自然に近づいて、深呼吸をする。そんなコトをしていると、自然と体内時計が心地よく刻み始める。温泉の効能は素晴らしいのですが、やはり、この温泉を取り巻く環境と、ここで出会えるかけがえのない「人」に、人は癒されてゆくのではないのかな、といつも思うのです。

アトピーフリーコムってステキ♪

私は、このフリーコムの会報誌がとても好きです。まず、今の時代に郵送で届くコト!もっと時代が進めば、「レトロだね~」となるかもしれません(笑)メールで配信すれば手間もかからず、費用も削減できます。それをあえて、日程を決めて連絡をし、人が集まって封入作業をして、発送をする。  それでやっとこさ、私の手元に届くんです。書いている内容も深いもので、読み甲斐があるのですが、やはり、その「ひと手間」に込められた想いが、ちゃんと一緒に届いているのだと思います。このひと手間も、「間」なのかもしれません。

だから、やっぱり会いたいな

気忙しく暮らせば暮らすほど、見えなくなるもの。それを、豊富温泉のようなのどかな場所にて少しずつ取り戻してゆく。自分の殻に閉じこもっていたなあと気付いたなら、それは素晴らしいコトです。勇気をもって自分の気持ちを誰かに話してみる。必ず、その想いを受け取ってくれる人がいます。

今、豊富温泉を訪れる人はどんどん増えているように感じます。そして、それに比例して移住希望者、移住者も増えています。私もそのひとりですが、寝たきりまで苦しみ、「選択の余地なし!」と腹をくくり、3年前にここ豊富町へ移住しました。痒みや痛みで苦しむことがまったくなくなった今、本当に穏やかな毎日があって、「くつろぐ」という状態がいかに大切かと、身に染みて思うのです。そうやって自分のゆとりができた分だけ、人の苦しみや痛みに寄り添うコトが出来、時に語り合いの場を持ち、想いを分かち合ったり出来るのだなあ、と。

豊富温泉のお湯は素晴らしい。しかし、それだけではなく、ここでいただける「出会い」を楽しみに、人と人が出会ったからこそ生まれるモノを楽しみに、ますます豊富温泉が豊かに繁栄してゆくよう、そして、この場所の存在が必要なヒトへと届きますように、と、願っています。

ふと想いが湧いたら、大切な人にメールではなく電話をしてみてください。もし可能なら、会いに行ってみてください。そこから始まるステキな出来事が、きっとあります。

とりとめのないハナシとなりましたが、温泉スタッフ一同、豊富温泉でお待ちしております。ぜひいろいろ、語り合いましょう!!

yoganorizumuまなみんのHP「ヨガのリズム。」

http://yoganorizumu.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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